ラジオCMによるニッチな地域密着型の訴求 

ラジオCMによるニッチな地域密着型の訴求 のイメージ

神保町インタビュー シリーズ2 

神保町
インタビュアー

ラジオ局に移られてからは、どのような業界をご担当されたのですか?  

工藤

まずは主なところに、大手不動産会社があります。不動産会社だけで30社くらい担当しました。不動産会社というのは、大手であっても「家」や「マンション」という高額商品を買ってくださるのは地域の方たちです。そこで、地域に密着したメディアであるラジオは、広告媒体としてぴったりなんです。

神保町
インタビュアー

不動産会社に対して、具体的にどういう価値を提供できたのですか? 

工藤

まず、ターゲットはファミリー層です。建て替えやリフォーム等のニーズもある。そこで、快適で過ごしやすい空間のイメージを伝える必要があります。 

そのニーズにぴったりはまるのは、住みたい街の環境を伝える番組や、ライフプランに関する番組です。行政サービスの手厚さや、おしゃれなお店など、街の良さを徹底的に訴求します。この場合、広告出稿としては、番組提供になりますね。30分から1時間の番組を、毎回クライアントのパブリシティとして出していきます。時には、実際に最前線で営業している地域の担当者にインタビューを入れることもあります。 

成果としては、ラジオCMを聴いたお客様から連絡が入るのですが、月に2~3件でも入れば、不動産というものは単価が高いので、広告効果が得られるのですが、私が担当したケースでは、売れに売れまして、募集第1期でマンション1棟がすぐに売り切れてしまいました。見学予約がいっぱいの状態でしたね。勿論、ラジオCMだけではなく、チラシや看板、現場の営業の方の努力もあってのことですが、リーチの規模としては、ラジオCMが一番大きかったんです。 

神保町
インタビュアー

それは大変な価値ですね。
ラジオと言えば、スポーツ中継を思い浮かべるのですが、スポーツ関連では何かありましたでしょうか? 

工藤

はい。大手総合電機メーカーがスポンサーになった、プロサッカーチームのPR事例があります。 

ラジオCMで試合を見に来てくれるように誘導しまして、同時にスポンサー番組で、サッカー選手へのインタビュー、試合の日程、イベントへの勧誘、選手とのファンイベントの様子を中継してコンテンツにしていました。時間としては短めの10分弱の番組です。 

成果としては、コアターゲットである地元のサッカーファンに刺さったのは勿論だったんですが、意外だったのは、女性がたくさん聴いてくださったことですね。やはり、サッカー選手、かっこいいから、そういう視聴者の広がりもあるんですよね。 

他に、変わったところでは、こちらも電機メーカーさんのスポンサー番組なのですが、「世界中のみんなの知らない情報ばかりを提供するコアな番組」がありました。 

バラエティ番組なんですが、海がプランクトンでいっぱいになったとか、バッタが発生したとか、面白すぎる、と言っては失礼ですが、何でそんなこと知りたいの?っていう内容ばっかりだったんです。 

そして、ラジオCMの対象商品は、ノートパソコンでした。 

当時、ノートパソコンはまだ普及し始めたばかりで、比較的、高所得者で知的好奇心の高い人たちが買っていたのですよ。そういう人は、変なことに興味を持つ人が多い。笑 

当時ノートパソコンのターゲットとなり得る人たちが、飛びついて面白がるような情報だったんですよ。 

神保町
インタビュアー

まさにラジオCMの持つ、ニッチでコアなターゲットに刺さる訴求ですね。